長距離ドライバーの仕事は過酷でキツイ?具体的にどのようにキツイのか知りたい
家に帰れないってホントなの?
そんな疑問に答えます。
この記事を書いた人
運送業界28年、アパレル関係3年、営業歴9年(訪問販売2年・不動産仲介7年)
2021年運行管理者取得 現役ドライバー
地場・中距離・長距離など経験あり
目次
長距離ドライバーがキツイ過酷といわれる理由
巷で長距離の仕事がキツイ、過酷だと言われるのは1運行で15時間以上も拘束されたり、1週間家に帰れないなどの理由からです。
積み込みに2~3時間かかり、出発が遅くなっても時間に間に合わせるため、連続で5時間以上走りっぱなしで休憩が取れない時もあります。
積み込み作業だけでも体は疲れます。
なので、走行中に眠気がきてとても危険な状態で走り続けることもよくあります。
私も走りながら大声出して歌いながら、無理やり眠気を覚まして走った経験が何度もあります。
長距離ドライバーの仕事は想像以上に過酷だったりします。
長距離ドライバーに強いられる違法な走り方
トラックドライバーは法律で連続4時間以上走ってはいけないとされています。
そのことを通称430(ヨンサンマル)といいますが、4時間に1度30分以上の休息をとらないといけません。
どうしても無理な場合は、1回10分以上、それを合計で3回で最低30分は休憩を取らなければいけないのです。
荷物のでき次第で出発が遅れても到着時間に変更がなければ、間に合わせるために430を取らずにずに4時間以上走り続けるときがあるのです。
ドライバーは法令違反となる走り方をしなければ約束の時間を守ることができません。
最悪の場合は時間だけに限らず、速度までも違反しなければ到着時間を守ることができないこともあります。
法律で大型貨物トラックは高速道路では制限速度を80kmとされています。
【80km/hに制限されている車両】
・大型貨物自動車
・8t以上の中型貨物車
・大型特殊自動車 等
これらの問題を解決する方法は、一つは速度の規制緩和、それと荷主側の待機時間の緩和です。
2024年問題を受け警察庁で貨物車両の高速道路での制原速度について、80kmから90kmに引き上げる検討が始まったみたようなので結果を見守ることになりそうです。
道路状況に左右される
一般道路にせよ高速道路にせよ、何事もなく無事に過ごせれば問題はありませんが、交通事故や工事はいつの時代にもついてまわる厄介な出来事です。
事故や工事はトラックドライバーではどうすることもできないので、思わぬ遅延を食らいます。
また、冬場であれば積雪による交通麻痺もありますし、どうすることもできない道路事情で拘束時間が長引くこともあります。
自分たちではコントロールすることができない事由で拘束時間が延びれば、それだけドライバーへの負担は大きくなってしまうのです。
荷主や荷受け先の都合で過酷な走り方を迫られる
拘束時間が長くなる主な原因は積み卸しの待機時間です。
積み地に到着してから順番待ちが1時間~4時間も待ち時間がある場合があります。
待機時間が長くなるほど拘束時間は伸びるので、最悪の場合は1日の拘束時間の最大制限である16時間を超える時だってあります。
2024年問題に向けて、発荷主や受け荷主の取り組み方を抜本的に国を挙げて本気で改善しない限りこれらの問題はなくならないでしょう!
我々運送会社がいくら努力してもどうすることもできない部分です。
長距離ドライバーも少子高齢化で先行き不安
私の会社も40代50代のドライバーが多く、20代は少ないです。
あと10年もしたら、会社はどうなるんだろう?って不安になります。
若い人が少ない背景に今の免許制度も関係してると私は感じています。
免許を取得するのに条件がありすぎる点と取得費用が高額である点が若者を遠ざけるのではないかと個人的に感じています。
それと、今現在での長距離ドライバーの給与も魅力がありません。
体で感じる疲労感と受け取る金額が見合わないから若い人が入ってこないわけです。
昔なら、給料とは別に食事代を現金で支給する運送会社がありました。
しかし、今ではそのような運送会社はほとんどありません。
それだけ会社が儲かっていないということです。
その背景に運賃の安さがあります。
規制緩和で運送会社が増えて運賃の下げあいが起こり、今のような最低賃金で走らなければならない状況が生まれました。
会社が潤えば社員も潤い、高額給与を取れるようになれば、若い人も将来的な羨望が見えるようになり安心して長く働ける業種になるのではないかと考えています。
それだけではないですが、1番大きな問題は労働時間が他の産業に比べて長いのに対して給料が低いのが問題です。
あとは、若い人にとって魅力的な業界にすることが運送業界の課題です。
年間休日数、賞与、退職金、働く人にとって魅力的な福利厚生がなければ、若い人はいつまでたっても来るようにならないのではないかと感じています。
だから、年々高齢化が進んでいるわけです。
決して若い人が少ないのが原因じゃないですよ
町には若い人がたくさん溢れているじゃないですか?
会社によっては高速代0で全線下道指定?
全ての会社が高速代0で全線下道というわけではありません。
長距離運行でいまだに全線下道なんてやってたら連続走行は違反だし、430だってまともにとれませんし、超がつくほどのブラック運送会社だと言えます。
法令遵守でいくのであれば、利益率が少々悪くなっても高速代はみておく必要があるし、全線下道はあり得ないです。
しかし、今でも下道で長距離運行を強いている会社があるから、長距離は過酷な仕事という評判がでまわるのです。
長距離ドライバーのメリット・デメリット
それでは長距離ドライバーのメリットとデメリットについてみていきましょう!
まずは、デメリットから解説していきますね!
長距離のデメリット
長距離のデメリットといえば、一番は家に帰れないことだと思います。
食事代やお風呂代がかかりますし、時には出先でコインランドリーで洗濯することだってあります。
特に結婚してる人は家と自分の両方に生活費がかかるので、経済的に見て厳しい状況になりがちです。
また、生活が不規則になりがち、毎日仕事を始める時間帯が違うのでそうなってしまうんです。
外食メインになるので、不健康になりやすい。
以上が主な長距離のデメリットではないでしょうか?
次は長距離のメリットについてみていきましょう!
長距離のメリット
長距離は日本全国に出向くことがあるので、旅に出るような楽しさがあるといえます。
特にやりはじめたころは、色々なところに行くことがあるので、ちょっとした冒険心がくすぐられたりします。
行く先々でご当地グルメが楽しめるのも長距離の仕事のメリットといえます。
その土地でしか味わえない珍しい食べ物を堪能する楽しみがあります。
さらに、その地域でしか販売してないお菓子なんかも結構あって、お土産に持って帰れば子供や奥さんに喜んでもらえることもある。
それから、道に詳しくなれるのも最大のメッリトです。
いつのまにか地図を見なくても遠いところに走っていくことができるようになるので家族からはかなり頼りになる存在になれます。
長距離輸送でも安定した仕事もある
ひとことで長距離といってもいろんなパターンがあって、待ち時間が長く積み込みにも時間がかかる仕事もあれば、積み地に到着して出発まで30分程度の仕事だってあります。
アマゾンや郵便の仕事であれば、あらかじめ到着時間と出発時間が決められているので、極端に待たされたり出発が遅れるようなことはほぼありません。
同じ長距離の仕事でも、雑貨や青果、飲料、食品関係の仕事は待機時間も長いし、バラ積みもあるので到着してから出発までに2時間以上もかかることがざらにあります。
コスパのいい仕事はどちらかというと、到着してから出発までの時間が短い仕事になるので、あなたがどちらの仕事に就くかで体の負担は全然違ってきます。
過酷な労働から抜け出す方法
運送会社がどのような荷主と契約しているかが仕事選びで最も重要な要素になります。
一般雑貨しか扱ってないのか?アマゾンや郵政の仕事がメインなのか?
冷凍食品メインの会社なのか?
元受けなのか下請けなのかでも全く違ってきます。
下請けの仕事しかない運送会社はおすすめしません。
理由は、元受けの運送会社がやりたくない条件の悪い仕事が多いのと給料が安いからです。
この辺りをちゃんと見極めないと就職してから地獄を味わうことになります。
同じ長距離の仕事でも、嘘みたいに楽してるドライバーが存在してるのも事実です。
結局は就く仕事次第で大きく違ってくるということです。
経験上務める運送会社で働きやすさや所得が嘘のように違ってくるので、マジで会社選びは時間をかけて情報収集して慎重におこなうようにしましょう!
まとめ
長距離の仕事は多種多様なので、どのような内容の仕事をメインに行っているのかをはじめにチェックする必要があります。
それにはまず、どのような仕事が過酷でどのような仕事が過酷ではないのかを知っておく必要があります。
過酷な仕事は、一般雑貨、冷凍・冷蔵の食品関係、青果、待ち時間が長くてバラ積みバラ卸などです。
この記事があなたの転職活動の参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
感謝いたします。